父と離れて、父を感じる
- えんど はっぴー
- 2022年6月22日
- 読了時間: 2分
一人暮らしをはじめて、夜に音楽を流す習慣ができた。
好んで流すのは、ピアノの曲。
ピアノの音色が好きで、ついつい流してしまう。
ピアノの音を聞きたい、と禁断症状的に聴いてしまうこともある。
こんなにピアノ依存症みたいになったのは、父のせいだと思う。
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僕の実家は、夕飯を家族揃って食べるという習慣があった。
だいたい1時間くらいかけて食事をするのだが、
父親は15分くらいで食べ終わり、ソワソワ、モゾモゾと時計を確認しだす。
そして、30分くらいして、「ごちそうさま」と言って、2階に上がっていってしまう。
父には、見たいテレビ番組があったわけでもなく、テレビゲームの続きをしたかったわけでもなく、読みたい漫画があったわけでもない。
ピアノが弾きたかったのだ。
ピアノが弾きたい禁断症状が出ていたのだ。
しばらくすると、上の階から、バッハの平均律クラヴィーアが大音量で聞こえてくる。
僕が物心ついた時から、24歳で家を出るまで、多分父はその習慣をずっと続けた。
僕は、そのピアノの音色を聞きながら、大人になった。
僕は、クーラーのよくきいた部屋で寝そべりながら、そのピアノの音色を聴くのが、
好きだった。
こうして、僕は、父と離れて暮らした今も、ピアノの音色をついつい流してしまう。
でも、音源より、父のピアノの生演奏の方がいいなぁといつも思う。
ひとり暮らしをする前に、録音していつでも聴けるようにしておけばよかったなぁ。
まあ、多分父は嫌がるだろうけど。
そんなこんなで、父のピアノが好きな僕ですが、嫌いな時期もありました。
その話は、また次の機会に。
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