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父と離れて、父を感じる

一人暮らしをはじめて、夜に音楽を流す習慣ができた。


好んで流すのは、ピアノの曲。


ピアノの音色が好きで、ついつい流してしまう。

ピアノの音を聞きたい、と禁断症状的に聴いてしまうこともある。


こんなにピアノ依存症みたいになったのは、父のせいだと思う。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



僕の実家は、夕飯を家族揃って食べるという習慣があった。


だいたい1時間くらいかけて食事をするのだが、

父親は15分くらいで食べ終わり、ソワソワ、モゾモゾと時計を確認しだす。

そして、30分くらいして、「ごちそうさま」と言って、2階に上がっていってしまう。


父には、見たいテレビ番組があったわけでもなく、テレビゲームの続きをしたかったわけでもなく、読みたい漫画があったわけでもない。



ピアノが弾きたかったのだ。

ピアノが弾きたい禁断症状が出ていたのだ。



しばらくすると、上の階から、バッハの平均律クラヴィーアが大音量で聞こえてくる。

僕が物心ついた時から、24歳で家を出るまで、多分父はその習慣をずっと続けた。

僕は、そのピアノの音色を聞きながら、大人になった。

僕は、クーラーのよくきいた部屋で寝そべりながら、そのピアノの音色を聴くのが、

好きだった。


こうして、僕は、父と離れて暮らした今も、ピアノの音色をついつい流してしまう。

でも、音源より、父のピアノの生演奏の方がいいなぁといつも思う。


ひとり暮らしをする前に、録音していつでも聴けるようにしておけばよかったなぁ。

まあ、多分父は嫌がるだろうけど。


そんなこんなで、父のピアノが好きな僕ですが、嫌いな時期もありました。


その話は、また次の機会に。

 
 
 

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